第1章:ルールの抜け穴・落とし穴(第4節)

初版2007年3月18日 著者:草加床ノ間


通らばリーチを知らない振りして

 リーチするときに,打牌を一旦指から離して放銃(振り込み)でないことを確認してから,その牌を横に向けリーチを宣言する人がいる。

 リーチ宣言での打牌が放銃になった場合は,まだリーチが成立していないため千点の供託を行う必要は無い。それを知らずにそうしているのか?

 これは,悪気が無くても放銃以外にポン,チー,カンの宣言がないことも確認していることになってしまう。

 つまり,一発ありのルールでは副露による一発の失効が無いことを確認してリーチしていることになる。

 あなたがもしその下家なら,リーチされた後にチーできれば,したくなくてもチーしてやれ。喰い替えできればなお最高(笑)


「あっ,カンできた」は,もしかしたら汚いやり方

 前項と似た話であるのだが,加槓(自分のポンしている牌と同じ牌をツモり,カンを行うこと)できる牌をツモったが,うっかり間違って捨ててしまい,「あっ,カンできた」と言い,それを拾ってきてカンをした場合。

 これも,悪意が無くとも,放銃かどうか確かめての加槓となり,槍槓のリスクを回避していることになる。

 一旦打牌が完了したものをキャンセルするようなことを認めてはいけない。雀力発展途上者がやったとしても同じである。そのほうが勉強になる。

 でも実際仲間内では,みんなカンドラ欲しさに打牌後でも加槓させてしまっているのが現状(涙)。


口三味線と偽モーション

 口三味線とは,字のごとく,事実ではないことや自分に都合のいいことを喋ることにより自分を有利にする行為。

 これは,故意の場合と癖の場合がある。

 故意の場合は悪質であり,注意してもきかない場合は退場処分などの制裁措置が取られてもおかしくない。イカサマに属する行為だ。

 癖の場合であるが,例えば「しまった失敗した」と言い続けながら順調にあがる人,いるよね。

 心理的には,例えばとても欲しい牌をツモってきたときの感情を抑え切れなくて,何かそれを表現する行動をしなければならないのだが,率直に感情表現するとバレバレなので,「失敗した」などの言葉を発していくうちに癖と化した・・・と思われる。

 フェアーを期するのであれば,当然競技中はポンなどの宣言,点数などの申告を行う以外,声を出してはいけない。

 だが,癖の人は1回分かれば対応可能になるので,そんなに目くじらを立てる必要も無いと思う。

 また雑談はコンビ打ち(他の競技者と結託して不正を行う)の通信手段(ローズ)として欠かせないものである。

 競技麻雀ではフルタイムポーカーフェイスであるが,仲間内の場合はそのあたりはルーズである。

 真剣勝負が楽しいか,和気藹々が楽しいか。選択は自由だが,和気藹々で楽しむ場合は,その抜け穴を知っておきたいところである。

 次に,偽(にせ)モーションであるが,これは例えばリーチしていてあがり牌ではない他家の捨て牌に,ピクッとすることにより相手にあらぬ誤解を与える行為。

 これにも,故意の場合と不意の場合がある。

 故意の場合は,始末が悪い。判別があまりできないからだ。

 例えば,筒子(ピンズ)の混一色を2副露で聴牌しているのに,上家の索子(ソウズ)の捨て牌に悩んだ振りをする。そうすると他家は,当然「あれっ,ホンイツでないのか?」と思ってしまうだろう。

 そんなことに惑わされない精神が必要といえばそれまでだが,悪意が感じられる場合はその後の対応(対局の敬遠など)を考えてもいいだろう。

 不意の場合は,かく言う私も何度かやってしまっているが,例えば手牌に対子であるのは東と中なのに發が捨てられてポンのpの字の半分まで声が出かかって気付き,他家にはちょっと不自然な行動に見えてしまう。

 よくあるのが,リーチしたのはいいけど自分の待ち牌をよく覚えていないため,怪しい牌が捨てられて思わず自分の手牌を確認してしまう行為。結構目立ってしまうので,その捨てられた牌のそば待ちなのかとかの憶測が湧いてくる。

 不意の偽モーションをしないよう常時気を付けたい。私も気を付けています。


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