第0章:はじめに

初版2007年3月26日 著者:草加床ノ間


 麻雀とは,今でも賭博というイメージが色濃く残る遊戯である。以前は専ら賭けが日常的に行われていた将棋や囲碁とは対照的である。

 また将棋や囲碁とは違い,統一競技団体が設立され標準ルールが設けられるということはなかった。

 各地で様々なルールが考案され,100グループがあれば120種類のルールが存在していると言っても過言ではない。自分が当然だと思っていたルールが実は全国的にマイナーであるということも起きよう。標準語だと思っていた言葉が方言だったことを知ったときのように。

 よって,各々の競技者のいわゆる「常識」のずれが,必ず存在している。そして,そのずれが露見すると悶着となる。悶着については第2章で取り上げる。

 第1章では,増えすぎたルールによりルールが悪用されたり,ルールに禁止事項が無いために不利を被ることがあることについて述べる。

 それにしても,増えすぎたルールはWindowsマシンの環境設定に似ている。100人ユーザがいれば100の環境設定がある。

 で,例えば共用のPCを置くことになり,あなたがOSの設定をすることになった場合,やっぱりあなたの使い慣れた環境設定にしたいはずだ。あなたの使い慣れたツールをインストールしたいだろう。

 麻雀をするときも,1つのルールを少なくとも4人で共用しなければならない。やっぱり,各々の競技者は自分のやり慣れた若しくは好きなルールにしたいのは自然の理であろう。

 ルールの設定によって競技者に有利不利が生ずるのも更なる原因だろう。

 異種格闘技のような要素があると思う。例えば,ボクシング出身と空手出身の選手が戦う場合,ボクシングの競技に近いルールになるほどボクシング出身の選手が有利になることは明白である。

 ボクシングは顔面打ちが主体に対し,空手はそれが禁止であるので,顔面打ちがあるなしで状況は大きく変わる。やっぱり,日頃からやっていて体に染み付いていることは,ルールが変わったからといって簡単には変えることはできない。

 例えば競技麻雀のルールとインフレ(赤牌割れ目など)ルールと完全先付けルールとは,同じ麻雀ながらお互いの乖離は大きく,異種格闘技のそれぞれの競技になってしまっている。

 互いに異なるルールで打ってきた競技者たちが,いざ打とうとしたときルール設定から勝負になっているということになる。声の大きい人のごり押しに負けるな。

 ただし,仲間内の取り決め場合,誘った人と誘われた人では誘った人の意見が優遇されるべきのように思う。幹事的存在の人がいれば一番権限を持っていてしかるべきであろう。

 私が今持っている知識だけでも,悶着無くルール設定しようとするならば,その協議だけで30分はかかってしまうのではないか。でも,みんな早く打ちたいわけである。雀荘ならその時間にも場代がかかるわけでもある。そして協議がお座なりになる。悶着が消えることは無い。

 各々のルールについての私の考えを第3章と第4章で述べる。

 麻雀というものが現在に至るまで無秩序にルールが変わり,多くの歪みができた。その歪みを具体例を挙げて説明していく。

 このサイトは決して麻雀の技術向上のためではない。また,悪知恵をつけるためでもない。

 その歪みを一つでも多く理解することがこのサイトでできて,歪の少ないルールで打ってもらえればこの上なく幸甚である。

 とは言いながら菲才な私であるので,世の中の上級者の方々には読んで損したと不快な思いをさせることになるが,ご容赦願いたいと思う。

 このサイトの作成には下記の文献およびサイトを参考にさせていただいた。こんなくだらないサイトの参考になってしまって申し訳ありませんが,感謝いたします。

 ・Wikipediaの麻雀に関する項目 (http://ja.wikipedia.org/)
 ・阿佐田哲也氏の小説
 ・麻雀祭都 (http://www.asamiryo.jp/)
 ・「図解 麻雀を始める人のために」(天野大三氏・天野洽三郎氏共著)・・・どこかに紛失してしまったため私の中に残った記憶による
 ・福地泡介の麻雀ルール集(福地泡介氏著)
 ・ひいいの麻雀研究(http://www.ix3.jp/hiii/)

 なお,本文中「断ヤオ」「ヤオ九」の「ヤオ」の字は「幺」を使用する。「断幺」「幺九」のような表記になる。

 この「ヤオ」の字は「公」の右上がなくなったものではなく,「幺」の異体字である。私の持っている漢字辞典にそう書いてあった。


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